【公にはされない】リサイクルの“行き先”──分別の先にある現実
目次
- 1: 分別すれば安心?──“リサイクル神話”の落とし穴
- 2: “資源”か“ゴミ”か──輸出先で起きていること
- 3: “エコ”を信じる私たちができること
- 4: ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
分別すれば安心?──“リサイクル神話”の落とし穴
「ちゃんと分けてるから、リサイクルされてるはず」──そう信じて、ペットボトルのラベルをはがし、紙とプラを分けてゴミ箱に入れる。多くの人が信じている「分別=リサイクル」という図式。でも実は、その“努力”が思わぬ形で裏切られているかもしれません。
家庭で丁寧に分けられたプラスチックや紙類は、自治体を通じてリサイクル業者へと渡ります。ここまでは「よしよし、ちゃんと資源になってる」と思いたいところ。でも実際には、国内で処理しきれない量や、質の低い資源は“資源”という名目で海外へ輸出されることも。
そしてその輸出先では──残念ながら、適切な処理がされずに、山積みにされたまま放置されたり、川に流されたり、燃やされたり。結果的に、環境汚染を引き起こしてしまうケースも報告されています。
「え、分別したのに?」という驚きと、「じゃあどうすれば…?」という疑問が、ここから始まります。
“資源”か“ゴミ”か──輸出先で起きていること
「日本で分別された資源が、海外ではゴミ扱いされている」──そんな話、聞いたことありますか?
実は、日本から輸出される“リサイクル資源”の行き先は、東南アジアや発展途上国が中心。けれど、そうした地域では処理インフラが整っていないことも多く、受け入れた資源をきちんと再利用する体制がないケースも。
結果どうなるかというと──分別が不十分なまま山積みにされ、そのまま焼却されたり、不法投棄されたり。川や海に流れ込んで環境負荷を高めてしまう事例も報告されています。
「資源の再利用」のはずが、実態はゴミの押し付けになっている──そんな指摘もあるのです。
「分別したのに燃やされる」だけじゃない。「分別したのに海外で捨てられる」──この現実、ちょっとショックかもしれません。
“エコ”を信じる私たちができること
「分別してるから大丈夫」──そんな思い込み、そろそろ見直す時かもしれません。
リサイクルの“行き先”まで気にしたこと、ありますか?
実は、分別しただけではリサイクルが成立しないことも多く、輸出先で環境負荷を生んでしまうケースもあると知った今、私たちにできることは何か。
まずはその現実に関心を持つことが、第一歩です。
そして次にできるのは、そもそもゴミを減らすこと。
使い捨てを避けて、再利用できるものや長く使える製品を選ぶだけでも、根本的なゴミの発生を抑えることにつながります。
「知らなかった」で終わらせず、「じゃあ、こうしてみよう」と日常の選択を少しずつ変えていく。
それこそが、ほんとうのエコかもしれません。
ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
さて、今日のテーマは「リサイクルの行き先」。前半では、分別したはずのゴミが、実は海外で“ゴミ扱い”されてるって話でしたね。いや〜、正直ショックでしたよ。
そうですよね。「分ければリサイクルされる」と思っていた人、多いと思います。でも実際には、国内で処理しきれない資源が東南アジアなどに輸出されて、現地で適切に処理されないケースもあるんです。
統計的に見ても、日本のプラスチックごみのうち、再資源化されている割合はそれほど高くありません。しかも「サーマルリサイクル」と呼ばれる焼却処理も含まれているため、実質的には“燃やしてるだけ”という指摘もあります。
えっ、それって「リサイクル」って言っていいの? なんか言葉のマジックみたいだなあ。
そうなんです。「サーマルリサイクル」は熱回収という名目ですが、環境負荷の面では焼却と大差ないという見方もあります。だからこそ、分別だけじゃなくて“その先”に目を向ける必要があるんですよね。
でもさ、分別ってけっこう面倒じゃない? ペットボトルのラベルはがして、キャップ外して、洗って乾かして…って、もう小さな儀式だよ(笑)
わかります(笑)。しかも「ここまでやったのに、結局燃やされるの?」って思うと、やる気なくなっちゃうですよね。
ただ、分別の精度が高いほど、リサイクルの可能性も高まります。汚れた容器や異物混入があると、選別工程で“不可”と判断されてしまうんです。
なるほどね。じゃあ、分別は意味あるけど、それだけじゃ足りないってことか。
そうです。分別はスタート地点。そこから「どう使われるか」「どこへ行くか」にも関心を持つことが、次のステップなんです。
じゃあ、どうすればいいの? 分別だけじゃなくて、何を意識すればいいのか、教えてください。
まずは「分別すればOK」という思い込みを手放すこと。そして、リサイクルの行き先や環境負荷に関心を持つことが大切です。
さらに、使い捨てを減らすことも有効です。再利用できるものや長く使える製品を選ぶことで、そもそものゴミの発生を抑えることができます。
「知らなかった」で終わらせず、「じゃあ、こうしてみよう」と日常の選択を少しずつ変えていく。それが、ほんとうのエコにつながるんです。
なるほどね。分別は“終点”じゃなくて“始まり”なんだ。今日の話、ちょっと考えさせられました。
ありがとうございます。リサイクルって、見えない部分が多いからこそ、知ることが大事なんですよね。
情報を知ったうえで、行動を選ぶ。それが、持続可能な社会への第一歩です。
