【消された未来】1975年、日本が“脱プラ先進国”だった頃
目次
- 1: 世界に先駆けた“脱プラ”構想
- 2: なぜ“消された”のか?
- 3: 今こそ知りたい“消された未来”
- 4: ふもとあさとの読むラジオ
世界に先駆けた“脱プラ”構想
1975年、日本が“脱プラ”を真剣に考えていたって知っていましたか?
今では当たり前のように使っているレジ袋やプラスチック包装。でも、昭和50年当時、日本はそれらを「減らそう」としていたんです。
きっかけは、高度経済成長の余波。大量生産・大量消費の波に乗って、使い捨てプラスチックが街にあふれはじめました。コンビニも増え、スーパーではビニール包装が急増。ゴミの量も右肩上がり。そんな中、環境庁(当時)は「このままじゃまずい」と動き出します。
なんと、包装材やレジ袋の使用制限を含む“脱プラ”政策を検討し始めたんです。しかもこれ、欧米よりも早いタイミング。持続可能な社会を目指す先進的な構想だったんですね。
「そんな未来があったの?」と思った方へ。そう、これは“消された未来”の話。次回は、その構想がなぜ消えてしまったのかを探っていきます。
なぜ“消された”のか?
せっかく世界に先駆けた“脱プラ”構想があったのに、なぜ私たちはその未来を手にできなかったのでしょうか?
実はこの政策、発表前から強烈な逆風にさらされていました。とくに反発したのが石油・化学業界。プラスチック製品の需要は、彼らにとってドル箱。環境庁の提案は「経済成長の妨げだ」として、業界団体から強い圧力がかかったといいます。
さらに、一部の国会議員も「国際競争力を損なう」と主張。経済優先の空気が強まる中、環境庁の構想は徐々に棚上げされていきました。
そして気づけば、正式な法案化には至らず、報道もほとんどされないまま、構想は静かに“消えて”しまったのです。
まるで、未来への分岐点がそっと閉じられたかのように——。
今こそ知りたい“消された未来”
もし、1975年に“脱プラ”政策が実現していたら——。
日本は、世界に先駆けて環境政策のリーダーになっていたかもしれません。
プラスチックの使用を抑え、紙や再利用可能な素材を選ぶ社会。それが半世紀前に始まっていたら、今の海洋汚染やマイクロプラスチック問題も、少しは違っていたかもしれない。
この“消された未来”は、持続可能な社会への道を早めるチャンスだったのです。
でも、過去は変えられません。だからこそ、今こそ知っておきたい。
かつて日本が選びかけたもうひとつの道。その失われた挑戦を知ることは、これからの選択にきっと役立つはずです。
未来は、過去の記憶から生まれる。そう信じたいですね。
ふもとあさとの読むラジオ
はい、というわけでお聴きいただきました「【消された未来】1975年、日本が“脱プラ先進国”だった頃」。いや〜、びっくりしましたねえ。紙袋の時代に、もう“脱プラ”を考えてたなんて。
そうなんです。環境庁がレジ袋の使用制限まで検討していたという記録、私も初めて知りました。年といえば、まだコンビニも少ない時代ですから、先見の明があったと言えますよね。
でも結局、その構想は立ち消えになってしまった。業界の反発や政治的な圧力って、やっぱり大きかったんでしょうねえ。
はい。石油・化学業界からは「経済成長の妨げだ」という声が強く、一部の議員も「国際競争力を損なう」として、環境庁の提案を棚上げにしたそうです。報道もほとんどされず、記録も少ないんです。
うーん、もったいない話だなあ。もしあの時、脱プラが進んでいたら、日本は今ごろ“環境先進国”として世界をリードしてたかもしれない。ねえ、ロン。君はどう思う?
はい、あさとさん。年当時の政策が実現していれば、日本はプラスチックごみの発生量を大幅に抑え、海洋汚染の進行も遅らせていた可能性があります。持続可能な社会への道を、40年早く歩み始めていたかもしれません。
なるほどねえ。ロンは専門家モードだ(笑)。でも、過去は変えられないからこそ、今この話を知ることに意味があるんだよね。
そうですね。消された未来を知ることで、今の選択に活かせることがあると思います。たとえば、買い物のときに紙袋を選ぶとか、マイバッグを持ち歩くとか。
そうそう。小さなことでも、未来につながる。ロン、リスナー代表として、今の若い人たちにひとことお願いできる?
はい。みなさん、未来は“誰かが決めるもの”ではなく、“自分たちが選ぶもの”です。年の挑戦を知った今、次の一歩は、あなたの手の中にあります。
いいこと言うねえ、ロン。じゃあこのあとは、琳琳さんおすすめの“脱プラ生活グッズ”を紹介してもらいましょうか。
はい、今日は“紙でできた保冷バッグ”と“繰り返し使えるラップ”をご紹介します。どちらも、ちょっとした工夫でプラスチックを減らせるアイテムです。
さあ、未来をちょっとだけ変えるヒント、ここから一緒に探していきましょう。では、続いてのコーナーへ——。
