【消された都市計画】1970年代に存在した“無印の街”という極端なミニマル都市構想

1970年代の日本で検討されていた“無印の街”。広告も装飾も排除した極端なミニマル都市計画は、なぜ歴史から消えたのか。その背景をひもとく。

目次

  • 1: 1. 1970年代に存在した“無印都市”という発想
  • 2: 2. 計画書に残された“極端なミニマル設計”の中身
  • 3: 3. なぜ計画は“消された”のか
  • 4: ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)

1. 1970年代に存在した“無印都市”という発想

1970年代、日本の街は今とは比べものにならないほど情報でぎゅうぎゅうだった。高度経済成長でビルは増え、看板は増え、ネオンは増え、街を歩けば視界のどこかに必ず広告が飛び込んでくる──そんな視覚ノイズが社会問題として語られ始めた時代だ。

その混乱の中で、ひっそりと検討されていたのが「装飾を徹底的に排除した、静かなミニマル都市をつくろう」という大胆な計画。看板も派手な色もなし、生活に必要な導線だけを最適化した“無印の街”とも呼べる構想だった。

当時の都市デザイナーたちは、情報に疲れ始めた人々のために、余計なものをそぎ落とした“整った静けさ”を持つ街を夢見ていたのである。

2. 計画書に残された“極端なミニマル設計”の中身

では、その“無印の街”の中身はどうだったのか。残された計画書をのぞくと、今見ても驚くほど極端なミニマル設計が並んでいる。

まず目を引くのは、街全体の色彩ルール。建物から標識、公共施設に至るまで、使っていい色は「白・グレー・木材系」のみ。まるで街全体が一つのプロダクトのように統一される、当時としてはかなり大胆なデザイン案だった。

さらに、生活動線は“最短距離”が徹底されていた。無駄な曲がり角や装飾的な広場は排除され、住居・商店・公共施設が“必要な順番”で並ぶ、まさに無駄ゼロの街路設計。

そして極めつけは、公共施設や住宅に課された“装飾禁止”ルール。庇や飾り窓のような意匠はNGで、形状は機能に従うのみ──現代のミニマリストが歓喜しそうな思想が、すでに半世紀前の計画書に書き込まれていたのである。

3. なぜ計画は“消された”のか

しかし、この“無印の街”は結局、実現することなく歴史の裏側に消えていく。理由のひとつは、あまりにも徹底したミニマル設計が、当時の社会構造と真っ向からぶつかったことだ。街から広告を排除するということは、自治体にとって大きな広告収入の消失を意味し、商店街からは「これでは商業が活性化しない」という強い反対が上がった。

さらに、行政側の判断もシビアだった。ミニマル都市は美しいが、経済的な波及効果が読みにくい。「見た目は良いが経済効果が薄い」という理由で、計画書はいつの間にか棚の奥へ押し込まれ、議論そのものが立ち消えになってしまう。

もしあの計画が通っていたら──日本に、いや世界に先駆けて世界初のミニマル都市が誕生していたかもしれない。そう思うと、静かに消えたこの都市計画は、どこか未練を残すような不思議な余韻を放っている。

ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)

あさと

さて、ここまで“無印の街”の話をしてきたけど、いやぁ……1970年代にこんなミニマル都市の計画があったなんて、ちょっと驚きだよね。街全体の色を白とグレーに統一って、今聞いても攻めてるよ。

琳琳

本当にそうですよね。当時の計画書を見ると、色彩ルールだけじゃなくて、街路設計も無駄ゼロ。必要な施設が最短距離でつながるように配置されていて、まるで巨大な生活アプリみたいなんです。

ロン

合理性だけで言えば、かなり優秀な設計だワン。装飾禁止ルールも、機能性を最優先するロボット的には共感ポイントが多いワン。

あさと

ロボット犬が共感する街ってどうなんだ(笑)。でも、確かに“静かで整った街”って、現代のミニマリストが好きそうだよね。

琳琳

ただ、その“整いすぎ”が当時は問題だったんですよね。広告を排除すると自治体の収入が減るし、商店街からは「これじゃ商業が活性化しない」と反対の声が強かったとか。

ロン

経済効果が読めない計画は、行政としては採用しづらいワン。見た目が良くても、数字がついてこないと評価されないのは今も同じだワン。

あさと

なんか、時代を先取りしすぎたんだろうね。今だったら“世界初のミニマル都市”として話題になってたかもしれないのに。

琳琳

ところであさとさん、もし“無印の街”が実現してたら、どんな生活になってたと思います?

あさと

うーん……朝起きて外に出たら、どこを見ても白とグレー。看板もないから、コンビニの場所がわからなくて迷子になるかも(笑)。

ロン

迷子にならないように、街路設計は最短動線になっているワン。むしろ今より迷いにくい可能性が高いワン。

あさと

あ、そうか。ロボット犬に論破された。

琳琳

でも確かに、看板がない街って想像するとちょっと不思議ですよね。静かで落ち着くけど、どこか“無音の世界”みたいな。

ロン

視覚ノイズが少ない環境は集中力が上がるという研究もあるワン。もしかしたら、住民の生産性が高い街になっていたかもしれないワン。

あさと

それはそれで、なんかSFっぽいなぁ。

琳琳

では最後に、今日のまとめに入りましょうか。

ロン

了解だワン。今回のテーマは消された都市計画。特に無印の街は、1970年代に実際に検討された極端なミニマル都市の構想だったワン。

あさと

街全体の色彩統一、無駄ゼロの動線設計、装飾禁止ルール……どれも今のミニマリズムに通じる発想だったけど、広告収入の減少や商業活性化の懸念から、結局は経済効果が薄いと判断されて消えてしまった、と。

琳琳

もし実現していたら、日本に“世界初のミニマル都市”が誕生していたかもしれません。そう考えると、この計画はただの失敗ではなく、時代を先取りしすぎた挑戦だったとも言えますね。

ロン

都市計画は、デザインと経済のバランスが重要だワン。今回の“無印都市”は、その難しさを象徴するケースだワン。

あさと

というわけで、今日は“消された都市計画”の中でも特にユニークな“無印の街”を紹介しました。いやぁ、歴史の裏側って面白いね。

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